世間がオリンピック色に染まりつつある今日この頃ですが、ふとこんなニュースを見かけたので引用してみました。
『野生のチンパンジーがゴリラを襲って殺す行動、初めて目撃 ドイツ研究チーム』 By CNN
ドイツの研究チームはアフリカ中部ガボンで野生のチンパンジーとゴリラの行動を観察した/Courtesy Lara Southern/LCPちょっと驚きですねぇー。
私はゴリラと言えば森の王者、気ままに寝て起きてたまに交尾して、気に障ったら脅して襲ってドラミング、みたいな印象を持っていました。
それが、どちらかというとゴリラのパシリ的印象をぬぐえないチンパンジーが、あろうことかゴリラに対峙して、それも殺してしまうなんて。
記事によると、
「研究チームが記録した2回の遭遇のうち、1回目は52分、2回目は79分続き、チンパンジーが徒党を組んでゴリラを襲っていた。
ゴリラは大人のオスとメスが自分たちと子どもを守ろうとしたが、子ども2頭が母ゴリラから引き離されて殺されたという。」
そして、研究チームはこの惨劇の主な原因を「食糧源の共有による争いの激化」としています。
どうやら普段わりと仲良くやっているらしいゴリラとチンパンジーも、こと食う事においては譲れない部分があるようで、もし対立した場合たとえ相手がゴリラだろうとチンパンジーは命をかけて戦うらしいのです。それも「数の原理で弱者から」という割とクレバーな戦術まで使って。
霊長類(特に大型)ってここまでするんですねー。
でもその頂点に君臨する人間は更にその上を行っています。
なにしろ同類同士で殺し合うのですから。
歴史を振り返ると、我々は常に殺し合っていて、むしろ殺し合わずにはいられない生き物のようです。
また、ゴリラとチンパンジーの対立要因は食料ということでしたが、それは人間同士にもきっちり当てはまります。
例えば、今の中国共産党がもっとも重視し気を遣っている事は「軍事」でも「経済」でも「領土」でもなく、国民の食糧問題です。
表面的に「軍事」「経済」「領土」などが派手に喧伝されていて見えにくいですが、それらは全て「国民の不満」を党に向けさせないための政策の一環です。
そして、それが最も発露しやすいのが食料問題なのです。
人はそこそこ食えていれば多少政治に不満があっても「まぁいいか」となるのですが、食えなくなると問題が一気に最上階まで格上げされます。
つまりチンパンジー同様に人間もゴリラ(ときの為政者)に命がけで対峙するのです。
これは中国歴代王朝の興亡を鑑みるとよく分かります。
そしてその怖さを一番良く知っているのが中国共産党で、彼らにとっての第一命題は「とにかく国民を飢えさせない」ことになる訳です。
何故か猿から中国の話になってしまいましたが、
単純か複雑かの違いだけで、行動の本質(動機)については猿も人間も変わらないんだな、と思いました。
0 件のコメント:
コメントを投稿