2021年7月19日月曜日

憂鬱、不眠、倦怠……全て走る事で改善する!

 起床時はいつも憂鬱、夜なかなか眠れない或いは何度も目が覚める、日中は体がだるくて何をするにも億劫になる、これらは「抑うつ」の初期段階によくみられる症状ですね。

実は私も以前それらに悩まされていた時期がありまして、とにかく毎日不安で仕方がありませんでした。

特に「不眠」については一度はまると中々そのループから抜け出せず、疲れをとる為の就寝のはずが逆にくたくたになって朝を迎えることも度々ありました。

睡眠導入剤の助けを借りると随分楽にはなるのですが所詮は対処療法、根本原因を取り除いて完治!という訳にはいきません。それどころか逆に依存してしまって、今度はそれ無しでは床にも就けなくなります。


さて、どうしよう。

とりあえず読書好きな私は、藁にもすがる思いで様々な書物に助けを求めました。

そしてようやく理論的に納得できる一冊の本にたどり着いたのでした。


John J. Ratey(ハーバード大学医学大学院臨床精神医学)著

『脳を鍛えるには運動しかない』


要約すると、

猿から別れ、人(ホモ・サピエンス)が誕生したのが約10万年前。

それ以降、人が狩りをするときの最大の武器は『走ること』でした。

とにかく獲物が疲れるまで走って歩いて追いかけるのです。

なので人の脳と体は二本足で歩き、走る事に最適化されています。

二足歩行の弊害として血液を脳に送りにくいということがありますが、走って心拍をあげることでそれを補っています。

散歩したりジョギングしたりすると、何となく思考が前向きになることを実感出来ると思いますが、これも脳への血流の増加及びそれにより分泌される脳内ホルモンの影響です。

約5千年前、人類は初めて文明なるものを生み出しました。

それ以降、生活は急激に変化し現在に至ります。

10万年前から走るために最適化されていた人間の体は、5千年の急激な変化に未だ対応できていません。1世代50年とすると、5千年はわずか100世代なのです。

なので特に体と古い脳(脳幹や大脳辺縁系)は、我々が考えているよりもはるかに現代生活に適応できていないのです。人間とは本来「走る生き物」であり、今もなおそれを前提とした体組成なのです。


つまり、快適に生きたいのであれば「走れ!」と著者は言っているのです。

私は文明の著しい進化に自らの脳や体が追いついていないという氏の理論に妙に納得し、早速ジョギングや散歩を日常生活に取り入れたのでした。

確かにジョギングを終えた後は心が弾み、気持ちが前向きになります。

硬直した脳みそに熱い血が巡り、解きほぐしてくれているような気がします。

ただし効果は約3時間。その後はまた元の状態に。

しかし、運動を終えた後の「本来の自分、自分らしい自分」を知ることで、辛い時にも「いやいやこれは本当の自分ではないから」と自己暗示をかける事が出来るようになりました。

3ヶ月ほど継続すると本来の自分の割合が徐々に高くなっていき、怖さや不安への対処も割とうまく出来るようになりました。


新しい脳と古い脳は、まるで1つの会社の違う部署のようなものです。

大目的は一緒のはずなのですが、そのアプローチや担当が異なっているためにまるで利害を異にしているような振る舞いをすることがあります。

(隣の部署や管理部門、或いは前後工程担当へ不満を持つことはよくありますね)


とかく現代社会は新しい脳への負荷が高くなりがちで、それ故に古い脳がますます見えにくくなっているのではないでしょうか?

心は脳が作り出すものですが、比喩的に心臓を指しているのは言い得て妙な話です。

なぜなら心臓を動かすことで脳に血液が運ばれ、幸福感などの感情が生み出されるからです。


「うつ状態」とは、うまく将来が描けなくなる事(絶望)だと思います。

それは古い脳の暴走です。

そして、その暴走を止められるのは走る事だけというのは面白いですね。


さあ、運動して気持ちいい汗を流しましょう。





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