ついさっき暑くて熱いオリンピックで盛り上がっていたかと思うと、もう目の前に大晦日が見えてきました。
いつから時の流れってこんなに速くなったのでしょうか?
このようにあらゆるものが移り変わっていくのですが、相変わらずコロナだけは安定継続中のようです。
さて、年末年始。
もういくつ寝るとお正月?
それでもやっぱり日本人にとってこの時期はお目出度いのです。
そして必然的に暴飲暴食の時期でもあるのです。
一時的な過食ならまあなんとかなるのでしょうが、とかく現代人は定常的にその状態になりがちです。
現代病と言われて久しい糖尿病や高血圧、高脂血症などはまさにその結果に他なりません。
我々の体はとにかく糖と脂肪に目が無いのですが、その理由はそもそもそれらがめったに手に、いや腹に入れる事が出来ないにもかかわらず重要なエネルギー源だからです。
人間はその大きくて燃費の悪い、更に数十秒もエネルギー供給を止めれば機能停止してしまう「脳」という臓器を有する宿命として、主に以下2つの改変を体に施しました。
1.腸を短くする
ミミズのような下等生物は身体のほとんどが腸(消化吸収器官)で占められています。
ところが哺乳類など大きな脳を有する高等生物は、エネルギーの分配比率を脳の方に振り分けるために、身体に対する腸の比率をかなり下げました。
その最たる生物が人類です。
一説によると、人間は腸を元来の約半分の長さにして、その分だけ脳を大きくする進化を選択しました。
「腸は第二の脳」などとよく言われ、消化吸収だではなく性格や気分を左右するホルモンなどの生成も行っています。
考えてみれば身体にはもともと腸しかなかったのですから、それは至極当然です。
むしろ「脳は第二の腸」と言えるかもしれません。
2.エネルギーを貯蔵しやすくする
豊かな森の中で果実などを食べて暮らす類人猿などは、基本的に飢餓のリスクがありません。なので体に無駄なエネルギーを脂肪として貯蔵する必要がないどころか、あると活動の妨げになります。
ところが二足歩行で森を出て狩猟採集の道を選んだ人類は、ともすれば数日間食事にありつけない事はざらにあり、常に飢餓のリスクを背負って生きていました。
なのでエネルギーを体脂肪に変えて自らの身体に貯蔵する方式をとりました。
人間の赤ちゃんがあんなにも丸々と太っているのは、一刻も早く脳を大きくするために脂肪をたっぷり蓄えて生まれてくるからです。
ところが、狩猟採集時代の人類は今と違ってたくさん活動するので、いわゆる現代病にかかることはありませんでした。
エネルギー収支のバランスがとれていた訳です。
さて、人類はこのように必要に迫られて身体を進化させてきたわけですが、産業革命以後、文化的進化が身体的進化の速度を大きく上回ったことにより様々な弊害を生むことになりました。
それらの一つが上述した現代病です。
原因ははっきりしていて、「食べすぎ&動かなすぎ」、以上となります。
様々なウィルスや病原菌に打ち勝ってきた人類がこの問題を解決できない大きな理由の一つは、高度に発展した資本主義にあると思われます。
糖尿病になるまでの経過をざっくりと説明すると、
1.糖を体に入れる
2.血糖値が急上昇する
3.血糖値を下げるために膵臓がインスリンを放出する
4.インスリンに反応して脂肪や筋肉、肝臓が糖を取り込む
5.血糖値が”グッ”と下がる
6.血糖値の急激な下降により空腹感が刺激される
後は再び1.に戻って無限ループが続きます。
デザートは別腹なのはきちんとした理由があって、主に6.の効果によるものです。
このループを繰り返していくと、やがて膵臓は疲れ果て、インスリンが出せなくなって、糖が分解されなくなります。
過剰な糖は基本的に体にとって毒です。
やがて糖尿病になり、インスリン注射を定期的に打たないと生きていられなくなります。
恐ろしいデスループです。
ここで注目したいのは2.です。
なぜ急激に血糖値が上がるのか?
結論としては、お菓子メーカーなどがそのような食品を作り、それを我々が好んで食するからです。
例えば健康に良いとされている「果汁100%ジュース」ですが、これもまさに急激に血糖値を上げる食品の一つです。
マラソンやロードバイクレースなどでもコーラなどと同じ扱いでオレンジジュースを摂る事がありますが、それは激しい活動で下がった血糖値をあげるためのものとしては理にかなっている訳です。
なぜそれらの加工食品が急激に血糖値を上げるかというと、食物繊維を完全に取り除いているからです。
食物繊維は消化を緩やかにし、血糖値の上昇を抑えます。
さらに腸内をスムーズに通過させる効果もあります。(便通が良くなる)
なので決して2.の状態にはなりません。
つまり、蜜柑はあまいデザートと違って別腹にはならないのです。
ではなぜメーカーは食物繊維を取り除くのかというと、それが資本主義経済たる所以となります。
食物繊維は腐るのです。(更に言うと取り除いた方が美味しくなるのです)
なので取り除くと美味しくなったうえに消費期限がぐっと伸びて資本主義経済的には最高なのです。
オレンジジュースはなかなか腐りませんが、蜜柑やリンゴはすぐに痛みます。
という訳で、いくら果汁100%だろうと食物繊維を除去している時点でジャンクフードと同じ立ち位置だという訳です。
生の果物に関して言えば、恩恵は食物繊維だけではありません。
それらの果物に常在している細菌類を摂取することで、腸内フローラにも好ましい影響を与える事ができます。
完全除菌の加工食品からはそのような恩恵はうけられません。
ついでに書きますが、
産業革命の遥か以前、人類が農業を始めて「主食」という定義が出来た頃、アジアでは主に「米」がそれが該当しました。
この米も精米によって食物繊維を除去し、白米として売られている訳です。
そのほうが日持ちがして、もしもの時の保存食として都合が良かったわけです。
(欧州の麦も同様です)
結果、白米は澱粉(糖)の塊となって、美味しくて長持ちする主食という地位を得ました。
さて、長くなりましたが、これが現代病がなかなか根本解決できない1つの原因です。
我々はこれからも資本主義経済のジレンマと付き合っていかなければならないのです。
でも個人の意識次第で如何様にも変えられることです。
かなり苦しいですが、まあ知っているだけでも対処は随分変わってくると思われます。
それでは!
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