2021年8月30日月曜日

【補足】SLEEP「睡眠の技術」皮膚に目がある、だと!

大事な事を書き忘れていたので……


 【補足】メラトニンのサプリに注意!

 メラトニンはホルモンだという事を忘れてはいけません。ビタミン剤とは訳が違うのです。常用すると受容体感度が鈍り、量がどんどん増えていくという負のスパイラルに。

副作用には十分気をつけましょう。


その他、眠りに効果的な植物。

・カモミール

 何千年も前から治療に使われているハーブ。

 皮膚トラブル、炎症、心疾患などに効果的。

 ティーにはアビゲニンと呼ばれるフラボノイドが豊富に含まれ、脳内のGABA受容体と結合し神経系の活動を鎮める。

 別名、眠りを誘うハーブ。


・カヴァカヴァ

 フィジーに生息する植物。

 不眠治療、疲労回復、不安軽減など。

 値をすりつぶしてお茶にする。


・ヴァレリアン

 寝つきを良くし、夜中の覚醒を抑制する。

 根をすりつぶし、薬として液体や粉末で服用する。


人間は決して夜行性の動物ではありません。

人間が他の動物よりも優位に立てるのは、五感や色の識別能力を用いられる日中です。

夜は眠りましょう。


それではっ!


本編はこちら → SLEEP「睡眠の技術」……皮膚に目がある、だと!


SLEEP「睡眠の技術」……皮膚に目がある、だと!

 鉢と苗用のポット、それに粗めの土を買って、

風通しと水はけの為に底上げ用のレンガを置いて、

直射日光を遮るために遮光ネットをかけて、

そうそう、小さなシャベルとジョウロ、そして剪定用のハサミも、

そして肥料は苗用に窒素とカリを多めに、花が咲くころにリンを増やして、と。


昔、ハーブの栽培にハマっていた頃の私です。

ラベンダー(イングリッシュ、ストエカス、エイボンなど)、ミント、レモングラス、カモミールなどを手当たり次第に育てていました。

そもそもの発端はラベンダーでした。

花を乾燥させて匂い袋やハーブティーを作りたい、いや作らなければならない、そんな使命感に駆られていました。

今思うと、恐らくストレスに苛まれていたのでしょう。

なにかにすがりたかった、そして苦しみから解放されたかった。

当時はその他にも、突然ギターを始めてみたり、水彩画を描いてみたり、絵画を購入して部屋に飾ってみたりと、とにかく何か心を癒す芸術或いは自然を求めていたのだと思います。


ラベンダーの栽培はとても難易度が高く、種を植えたポットで小さな銀緑色の葉が出てきたときの感動は今でも覚えています。

そしてある程度成長すると、鉢に植え替えて外に出すのですが、日の当たり方や水加減、そして肥料の量などが始終気になってしまって、むしろストレスが増したのでは?と感じた事も今となっては懐かしい思い出です。

結局、10株中5株くらいが生き残って花を咲かせました。

ランベンダーは乾燥して水はけの良い、そして痩せた土地に自生するハーブです。

大ざっぱに分類すると「雑草」なのですが、何故か弱いのです。

水と肥料を(ついでに太陽も)あげすぎると、すぐに枯れてしまいます。

それに比べるとミントとカモミールの繁殖力は異常でした。

まさに、これぞ「雑草」という感じで、放っておいてもみるみる増えていきました。

なのでプランターで育てていたのですが、すぐに覆い尽くしてしまいます。さらに隣のラベンダーの鉢を侵犯したりするので気を抜けません。

ハーブティーにして消費しても、飲める量には限界があります。カモミールとミントのティーは飲み飽きました。

そういえば写真もいっぱい撮った記憶があるのですが、パソコンが変わってどこかへ行ってしまいました。美しかった色々な紫のラベンダー、そして画面一杯のカモミールの雄姿をお見せできないのが残念です。

こうやって昔の思い出を書いていると、またハーブを育てたくなってきました。(道具はまだ全部残っているし)


さて、前置きはこのくらいにして、

せっかく植物の話をしたので、今回はまず睡眠に貢献する植物について紹介します。

著書によると、質の高い睡眠の為に、寝室の環境においても改善できるポイントがいくつかあるとのこと。

その中の1つに「空気」の浄化があります。

化学物質や二酸化炭素まみれの部屋で長く過ごすのは、どう考えてみても体に良い訳がありません。


■観葉植物を置いてみる

・イングリッシュアイビー


 NASAから空気を浄化する植物No.1のお墨付きをもらう。

 神経毒であるホルムアルデヒトを吸収する。


 NASA公認!を疑う事なく有り難がる日本人ですが、これはどうなんでしょう?

 なんかよくイギリスの建物の壁を這っているイメージがありますが、寝室の中でも大丈夫なのでしょうか?

 でも神経毒の吸収能力には少し興味を惹かれます。


・サンセベリア


 夜間に二酸化炭素を吸収して酸素を排出する。


 これは確かに観葉植物っぽいですね。

 しかし大体の植物がこの能力を有しているはずですが、こいつだけ特別にLevel5なのでしょうか?


まあ、いずれにせよ、どうせ飾るなら役に立つ方が良いに決まってますから、観葉植物好きの方は試してみるのもイイのではないでしょうか?


植物はこの位にして、最後に皮膚の意外な能力を紹介します。


■皮膚も光を感知する!

我々の皮膚の細胞は、ロドプシンという光を認識する細胞を作る事が確認されています。

つまり光を感知するという機能においては、目と同じ細胞が体中に存在しているという事です。

これが何を意味するかと言うと、

とにかく寝室は暗ければ暗い方が良い!

ということです。


明るい部屋で眠っていると、例えアイマスクをして視界は真っ暗であっとしても、我々の体は光を感知し、その結果メラトニンの生成が抑制されます。

以前紹介したように、メラトニンは睡眠のサインを各細胞に送る役割を担っており、暗くなると自然に分泌されるホルモンです。

つまり明るいと眠りに落ちにくくなる訳です。

自然界において夜が暗いのは当たり前のことですから、当然体もそれに合わせたメカニズムになっている訳です。


しかしまさか体でも光を感じているとは……

昼と夜の区別は、目だけでなく全身でつけているわけですね。


最後にメラトニンの補足を少し、

含有量が多い食べ物 : タートチェリー、クルミ、ショウガ、アスパラガスなど。

生成力を高める食べ物 : パイナップル、トマト、バナナ、オレンジなど。

筆者は特にパイナップルを奨めていました。

明日は酢豚を食べましょう。


まとめると、
・観葉植物で寝室の浄化を。
・寝室は真っ暗がベスト。
・ラベンダー弱い。

それではッ!

補足記事をUpしましたので一読ください → 【補足】

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2021年8月28日土曜日

「蝉時雨」

 今日も”むし”暑い京都です。太陽が今にも落ちてきそうです。

そんな日でも私はまっすぐ太陽に立ち向かい、しっかりとその恩恵に与かってきました。

ビタミンDが合成されていくのを感じます(嘘ですが)。

「しかしこう汗をかいていると、できたビタミンDも一緒に流れていってるんじゃないだろうか?」


そんな事を考えながら歩く帰路、私は深い森に覆われた神社に立ち寄りました。

「ついでに最近覚えたアーシングもやっていくか。このぐらいの御利益なら賽銭無しでも恵んでくれるだろう」

参道には蝉の亡骸がいくつか落ちていました。

私はその仰向けに硬直した蝉を見ながら、

「本来ならこんな風に全裸で仰向けになってアーシングをしたいところだが、おそらくバチが当たる上に、もし人に見られようものなら社会的に抹殺されかねない。全身でアーシングしてましたと言って一体誰が信じてくれるだろうか?」

と思いながら通り過ぎました。


長い参道をしばらく歩き、やがて誰も居ない本殿に到着しました。

私はなぜあるのか分からない切り株に腰掛け、一息つきました。

巨大な樹に覆われて、辺りは薄暗くなっていました。

「じゃこの辺で」

すると上方から、大地に手を着いて”自己流”アーシング中の私に、蝉の鳴き声が一斉に降りかかりました。


ミミミミミーン、シャシャシャシャシャシャーン。


ハッとして上を見上げた私は、

「なるほど、多分これを”蝉しぐれ”というんだろうな」

と何故か妙に納得してしまいました。


街の中で耳に直接入ってくるようなセミの鳴き声と違って、ここでははるか上空からセミの声がまさに時雨(しぐれ)のように自分に降りかかってくるのです。

それはまさにシネコンもまっさおの「空からの立体音響」でした。


「なんか蝉の本気を見た、というか聴いたような気がする」


アーシングの効果のほどは定かではありませんが、少なくとも本物の”蝉しぐれ”によって癒されたことは確かです。

「言葉だけじゃ分からないことってるよな」

私はそそくさと本殿に一礼し、その場を後にしました。


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2021年8月27日金曜日

「人≒チンパンジー」 いや 「人>チンパンジー」 だ!

 今日私は、これまでバラバラの点として(無駄に)私の脳内に格納されていた情報が、今一つの線としてつながったような気がしました。

これまで固く絡まっていた糸が、追加の秘薬一滴で一瞬にしてほぐれたような、なにかそのような気持ちです。(意味不明ですが……)


以前紹介した記事で「チンパンジーがゴリラを殺す……」という内容のものがありますが、そこで私は「食料を巡って、人間も変わらない。いやそれ以上」という結論を述べました。

それと直接は関係ありませんが、ある大学講座の動画でこのような論文が紹介されていました。


人 ≒ チンパンジー > ゴリラ


説明すると、チンパンジーは人とゴリラ、DNA的に近いのはどちらか?という命題における結論です。

そう、チンパンジーは圧倒的に人に近いのです。

そして最も顕著にそれを説明できるのが「食」と「群れ」における習性です。


■食ついて

人、チンパンジー : 肉を常食する珍しい霊長類

ゴリラ : 基本フルーツのみ


■群れの構成

人、チンパンジー : 複数のオスに複数のメスで構成

ゴリラ : 1頭のオスに複数のメスで構成


「群れ」の構成は食に大きく依存しています。

何故なら、肉すなわち獲物(動物)を狩る為には一人よりも複数のオスによる連携の方が圧倒的に有利だからです。

そして必然的にグループ同士は縄張りを争い殺し合う事になります。

チンパンジーは人が殺し合うよりも殺し合っているとのことです。


男が徒党を組んで争う。

これは現代の人間においては例えば戦争や、その代案としてのスポーツの形で残っていますが、特に政治政党などは実に人間らしい群れ同士の争いといえるでしょう。

男同士はとにかく争います。

面白いデータとしては同性殺人の割合、すなわち女が女を殺す割合はほぼ皆無なのに対し、男は10代後半から20代前半、すなわちお年頃(繁殖期)に同性殺人が飛びぬけて多いという事。

そしてそのグラフはものの見事にチンパンジーと一致するそうです。

どうでしょうか、だんだん周りの人がチンパンジーに見えてきませんか?


で、ここまでで言いたかったのは人間とチンパンジーは似ているということなのですが、もっと言いたいのは、決して=(イコール)では無いという事。


それでは、次に「違い」について説明します。


同じように群れを作る人とチンパンジーですが、決定的に異なるのは、メスの振る舞いです。

人のメス?は群れるのが大好き(コミュ力が高い)ですが、チンパンジーのメス同士は群れません。(同じ群れの中にいるのに)

彼女らの人?生におけるコミュニケーションは、発情したときのオスと出産したときの子供、これだけです。


人に有ってチンパンジーに無いものがあります。

「老年期」です。

人のメス?は閉経後も実に長生きです。

ところがチンパンジーに閉経はありません、生涯現役です。現役のまま50歳前後で死ぬのです。

つまり、チンパンジーに老年期はありません。


ではなぜ人には老年期があるのか?(子供を産めなくなっても生きる必要があるのか)

それは群れの中できちんとした役割が用意されているからです。


人の群れは決して肉を獲るためだけに構成されている訳ではありません。

それよりもっと重要な意味があるのです。

それは子供を安全にたくさん育てるためです。


人のメスは毎年子供を産めますが、チンパンジーは3年かそれ以上の周期になります。

何故なら、子供に手がかからなくなるまでやっぱり3年ほどはかかるからです。

人の群れはそれを役割で解決しています。

老年期の男女、つまりおじいさんとおばあさんも一緒に子育てをするのです。


人は年と共に寝る時間帯が変化します。

赤ちゃん : 寝たり起きたり。

子供 :   21時    -    7時

青年 :       24時 -     8時

大人 :        26時   -   9時

老年 :   21時 - 26時


つまり、狩りや子育てで忙しい大人が寝るころ(26時)にジジババが起きて来て、赤子のお守りをしてくれたり、火の番をしてくれたりするのです。

実にうまい具合に出来ていると思いませんか。

更に女同士のコミュ力によって、お互いの子の面倒も見合える。

この群れ構成によって、女は毎年出産しても安全に子供を育てる事が出来、さらに閉経後も群れの中での役割を担えるわけです。


人が猿と分かれて300万年とも600万年とも言われますが、このような生活を人は太古の昔から営んでいたのです。


「そりゃ人口も増えるわけだ!」


現在の人間は「群れ」(ご近所付き合い)から核家族化、そして個人主義へ移行しています。

「食」と「安全」が確保しやすくなったからです。

ある統計によると、(ニュースを見る限りそんな風には思えませんが)現代の人間の殺人率は徐々に減っているそうです。

これも上述の理由からでしょうか。

チンパンジーとの「群れの構成」における共通点は今後さらに薄れていくのでしょうか?

いや、そうとも言い切れません。

ボノボというチンパンジーの仲間、というかチンパンジーがいます。

彼らはチンパンジーのような群れを作りません。

何故なら豊かな森に住んでいるので、狩りをする必要がない(肉食ではない)からです。

どうやら人間は、ボノボとチンパンジーの中を揺れ動いているようです。


しかし人間から老年期は無くなりません。(何万年後には分かりませんが)

役割を失った老人の生き方。これは非常に大きな問題です。

人は居場所が無ければ生きられません。

居場所とは、自分が居たいと思うだけでは作れません。

誰かに望まれ必要とされなければ、そこは居場所にはならないのです。


睡眠中にオキシトシン(心を鎮め、睡眠を促すラブホルモン)を得る最良の方法は、パートナーと(SEX含め)触れ合うことだそうです。

触れ合う事で、自分がパートナーを必要とし必要とされていることを実感し、オキシトシンが放出されるのだとか。


ショーペンハウアーがこんな事を言いました。

・老年期における貧困は非常な不幸である。

貧困が征伐され健康が保たれていれば、一生の内老年期と言われる部分は結構苦にならぬ年齢期である。


もちろんお金も大事ですが、どうやら現代の我々にはそれだけでは不十分なようです。

(ショーペンハウアーの時代とは生活スタイルもずいぶん変わってしまいました)

このようなことを踏まえ、老後の自分の立ち位置、居場所をしっかり確保する必要があるように思います。


孫の世話が出来るならそれは最良。

無理ならなにか社会貢献、サークル活動、SNSによる発信などなど。

とにかく「自分は生きていても良いんだ。あわよくばもっと生きたい」と思える何かを見つけましょう。


人 ≒ チンパンジー ではなく 

人 〉チンパンジー にならないと。


それではっ!


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2021年8月26日木曜日

SLEEP「睡眠の技術」大地のパワーを侮るな!

「頭が痛い。ここしばらくご無沙汰だったのに、忘れた頃にひょっこり現れやがる!」

最近はそれほどでもないのですが、以前は割と頻繁に襲われていました。

一旦こうなると、頭痛薬を飲んでひたすら収まるのを待つしかありません。

すぐに収束することもありますし、なかなか引かずに翌日まで持ち越す場合もあります。

おそらくストレスが原因だと思うのですが、やっかいなものです。


今回のはそれほど重くなさそうだったので、私は気分転換がてらにちょっと散歩に出かけました。このくらいだと、軽く汗をかくだけで快方に向かう場合もあるのです。

夏の終わり、あれほど狂気の叫びをあげていた蝉もずいぶんおとなしくなりました。

肌をさわる風の感触が、これまでとは明らかに違ってきています。

「そろそろ秋が来るのか?」

30分ほど歩き、足取りは徐々に軽やかになってきました。

色々な考えが頭の中を巡り、やがて痛みはその場所から消えていきました。

誰も居ない公園で少し休憩しました。

大きな木を見上げると、幹に蝉が無言のままとまっていました。

土に生まれ、地上でひと夏過ごした後再び土に還る、地面大好きな奴です。

「子供の頃だったら即手で捕まえてたな。今となってはその目的も理由も全く理解も想像もできないが」

私は(恐らく)この世に別れを告げているであろう蝉に別れを告げて、その公園を後にしました。帰宅してすぐシャワーを浴びました。「軽く汗を」のつもりが全身びっしょりになって、違う意味で倒れそうになりましたが。

「あーすっきりした」

私はそろそろ読み終える「SLEEP」のページを繰りました。

そこには、こんな記事が載っていました。


■抗酸化作用のカギを握る自由電子。

好中球は損傷している部分にフリーラジカル(活性酸素)を運ぶ。

フリーラジカルは+(プラス)の電荷を帯び、有害な細菌を死滅させ、組織の修復を行う。


よく世間で老化の元凶、存在自体が悪、の代名詞として紹介されている

活性酸素(フリーラジカル)」

です。

よくよく読んでみると、活性酸素はむしろ良い奴なのでは?

どうやら体の修復をしてくれるようです。

ではなぜ世間で悪者にされているのか?

それはこう言う理屈です。


炎症の真の原因としては、フリーラジカルが暴走して関係の無い周辺組織に飛び火して健康な細胞が傷つけられたときだ。


なるほど、そういうことか。

そしてそれを抑えるのが、これもよく世間で耳にする、

抗酸化作用

と呼ばれる反応です。


抗酸化物質はー(マイナス)自由電子を持っているので、フリーラジカルを中和して過剰な酸化を直ちに止める事が出来る。


ほう、で、何食ったらいいんだ!


ただし、ブルーベリーをたくさん食べたところで対して効果は無い。


なんだとっ!健康食品でもブルーベリー押しの風潮がはびこっているが違うのかっ!

先を読んでみるとどうやら、

経口摂取では「消化→吸収→血中へ」というステップが必要なため、かなり効率が悪いらしいとのことです。


ではどうすればいい!また寝たらいいのか!?


■アーシング(Earthing)を心掛けなさい。


アーシングとは、要は土(地面)に触れる事です。

土の表面は自由電子が一杯で、触れるだけで吸収するとのこと。

海でもOK。

ただし、コンクリートやレンガは、まあOKだがいくつかの条件がそろわなければ同様の効果は得られないとのこと。


考えてみれば、私たち人間は普段から靴を履いているので、本当に地面と触れる機会がありません。

靴の底はたいていゴムなどの絶縁物質(電気を通さない)で出来ているので、アーシングは不可能でしょう。

こう考えると、散歩中の犬はまさにアーシング状態であり(犬に靴を履かせないように!)、そのとき自動的に体内の活性酸素量の調整が行われている訳です。

しかし原始人だったころの我々ならともかく、現代人にとって裸足で歩くというのはちょっとハードルが高すぎます。

著書によると、1分でもその効果を得ることができるが長ければ長いほどいいとのこと。


「なるほど、理屈は理解できる。例えばエアコンのコンセント、精密な高出力アンプなどは必ずコンセントのアース(グランド)に接続している。LSIでもそうだ、アースしないと電圧は安定しない、下手をすれば回路は破壊される」


人間もこれと同様で、アース、すなわち”0”の基準をとってやらないと、かならずどちらかに傾いてしまいます。電子回路上では同じ10Vでも‐5~+5の10と‐1~+9の10ではその意味が異なります。きちんと0を明示してやらないと精密な電子機器は正しく動作しないのです。

そして、少なくともエアコンよりは精密でしょう、私は、そして人間は。


脳内をめぐる思考も、もしかしたら頭痛の”痛み”も、結局は電気信号です。

きちんとアース(グランド)をとってやらないと、活性酸素も(頭痛)も収まりません。

(くそっ!公園で砂場遊びでもして来ればよかった)

私は、次の散歩からは絶対に公園での砂遊びを自らに課すことを決意しました。


ちなみに著者はアーシングマットとか、アーシングシートとかいうものを使っているそうです。(裸足じゃないのかよ)

私は聞いたことの無いこの単語をググってみました。

ありました。


・アーシングマット

 


・アーシングシーツ
 


どうやら、私の預かりえぬところで睡眠業界?は進歩を続けていたようです。
アーシングをすると、過剰な活性酸素を抑制するのは前述の通りですが、睡眠時のコルチゾール量を減少させ、結果ストレスが低減するとのこと。
裸足で歩けない、散歩も出来ない、土が嫌い、という方はこれらのアーシング商品を試してもイイのではないでしょうか。

ただし、これらの商品を使うにはアース付のコンセントが必要になります(エアコンの電源が繋がっているあれです)。
すなわち、アーシングする為のマットにもアーシングが必要な訳で、結局これらの商品は地面との仲介をしてくれているだけなのです。
ご使用時にはそこだけ注意してください。


アーシングは現在スポーツにも活用されているらしく、
例えばツールドフランス(フランス一周自転車レース)を走るチームやオリンピックに参加する選手などは、怪我の治癒や体内組織の修復にこれらの技術を活用しているとの事です。


この本を読んでいて私はつくづく思いました。
太陽といい、地面といい、そんな当たり前の存在が我々にとってどれほどの恩恵をもたらしてくれているのか。
そして、それらの恩恵をなぜか遠ざけよう遠ざけようとしているこの不思議。
遮光カーテン、高層マンション、コンクリ―トの街。
効率と快適を最優先にした結果がこれなのでしょう。

こういう時代だからこそ改めて思い出さなければなりません。
我々は原始人とほとんど変わらないということを。

まとめると、
・活性酸素は割とイイ奴。
・たまには土に触って電荷安定。
・大地は太陽と同じくらい凄かった。

それではッ!

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2021年8月25日水曜日

SLEEP「睡眠の技術」ノーブラ万歳\(^o^)/

 「きっとこの枕が悪いんだろう……たぶんそうだ!いやそうに違いない!」

眠れない夜には、とかく様々な思考が頭の中を駆け巡り、やがてその原因を自分の内から外に向けていくという一種の責任転嫁に走りがちです。

私もこれまで何回か枕にその原因を押し付け、その度にささやかな自己満足と、やがて訪れる自己嫌悪という無限ループにハマっていたことがあります。

いえ、それは枕だけではありません。

私は”畳に布団”という実に純和風な睡眠環境で眠っているのですが、枕が(責任転嫁の標的として)さほど役に立たないことを悟って、最近その目を布団に向けました。

「布団……硬い。背骨の自然なカーブだって?作りようがない。もしかして今の私に足りないのは、あの全身を優しく包み、背骨を自然なカーブに整えてくれるらしい”マットレス”とかいう寝具ではないのか?」

しょうこりもなくそう考えた私は、翌日マットを求めネットの海に沈んでいったのでした。


「反発がどうのこうの、バネがどうのこうの、さらにはお届け時の梱包がどうのこうのと、なんだこのバリエーションは!?親切なようで逆に何がBestなのか分からない!さらに購入意欲がそそられそうで逆に面倒くさい」

私はこのような考えが込み上げてくるのをぐっとこらえながら、次のように思いました。

「考えてみると人生の3分の1は寝ている訳だ。そう考えると寝具の費用対効果はかなり高いはず。なので適当にポチるのだけは止めよう。時間制限がある訳でも無いし、もう少し情報を整理してからだ」

私はとりあえず保留することにしました。


それからしばらく私は酸欠になりながらひたすらネットの海に潜っていたのですが、いつしかそれも飽きて来て、やがてマットレスという言葉は私の意識から薄れていきました。


そして今回「SLEEP」に寝具の章を見つけました。

「あのとき焦って買わなくて良かった」

さて、その要約について話していきましょう。


著書にはマットレスについてこうありました。

多くのマットレスに有害物質が含まれている、と。

例えば、

・PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)

 2004年以前に生産されていました。

 肝臓、甲状腺、神経系に有害。


・メラニン樹脂(ホルムアルデヒト)

 長期にわたって浴びると発ガンの恐れ。


・難燃剤(リン、ヒ素、アンチモンの合成化合物)

 細菌と反応し、有毒ガスを発生させる。

(これらはいずれもアメリカでの事例ですので、日本においてどうなのかという事には触れられていませんでしたが、恐らく似たようなもの、或いは少し遅れているくらいだと思います)


特に難燃剤については割と深刻です。

もし致死量に相当するガスが赤ちゃんの口や皮膚を通じて体内に入れば、中枢神経系が停止し、呼吸と心臓が止まります。さらに有毒ガスの痕跡はまず残らないので、普通の検死では死因の特定が出来ないとのこと。

結局これらはSIDS(乳幼児突然死症候群)として分類されます。


ニュージーランドではSIDS(乳幼児突然死症候群)を防ぐため、赤ちゃんを寝かせるマットレスを保護カバーでくるむことが広められました。(布団は無いのかっ!)

それから1,020人の乳幼児がSIDSで亡くなりましたが、その中に保護カバーを使用したベッドで寝ていた子供は一人もいなかったそうです。


果たして日本の通販でここまで素材をきちんと明記しているサイトがあるのかどうか知りませんが、とにかくマットレスを使う時は保護カバーが必須のようです。

というか、布団で問題ないならそれに越したことはないようなので、いまのところ私は布団で様子見を決め込んでいる最中です。


さて、しばらくは”布団で寝る”ことが決定した私ですが、ゆえに背骨のカーブがどうこう?に影響するいわゆる”寝姿”は常に気になっています。

寝られない時はとかく寝返りの繰り返しで忙しいのですが(正解が分からない)、起きた時は大体仰向けになっている事が多いので、自分にとっての寝姿の最適解は恐らく仰向けなのではないかと思っています。


そしてそれは著書でも正解でした。

消化管のトラブルが起きにくく、顔の肌呼吸が遮られないので吹き出物やシワが現れにくくなる、と。半面、いびきや無呼吸のリスクは高まるそうですが、私は太ってはいないのでまあ大丈夫でしょう。

ついでに枕についていうと、高い枕はNGだとのこと。

せっかく心臓が脳に負荷なく血液を送り込める姿勢なのに、頭が高くなるとそれが妨げられるからです。


そういえば、著書には就寝時の服装についても詳しく書かれていました。

まず男性については、”あそこ”を締め付けるようなパンツは履くな!と。睾丸、そして精子に良くないぞ!ということです。

そして女性については、”ブラジャーはダメだ!ついでにいうと寝る時以外でもつけない方が望ましい”と述べられていました。

ノーブラ万歳\(^o^)/


何故なら、就寝時にブラジャーをつけているとリンパの流れを阻害し(割愛しますが)その他複数の要因で乳がんの発生リスクが約60%高まるとの研究結果もあるからです。

さらにおっぱいを(特に乳頭の位置を)いつまでも高く保ちたいなら、日中においてもブラジャーはつけない方が良い、何故ならそのほうが胸を支える筋肉組織が発達するからという研究結果もあるからだそうです。

色んな研究があるんですね。

ちなみにこの研究は

「Dressed to Kill」シドニー・ロス・シンガー、ソマ・グリスメイジャー共著

からの引用だそうです。

試しに「Dressed to Kill」でググってみたのですが、出てきたのは「殺しのドレス」というアメリカのホラー映画でした。どうやら本の和訳はされていないようです。

いや私には必要ないのでどうでもいいのですが……


まあとにかく、ノーブラ健康法です。

アメリカのセレブはノーブラです(個人的イメージですが)。

そのうち日本にも波及するのでしょうか?

ヌーブラってどうなんでしょうか?

さて、今回は寝具、寝装について「SLEEP」からざっくりと紹介しましたが如何でしたでしょうか?

睡眠について興味深いトピックはまだまだたくさんありますので、それらも近いうちに紹介できればと思います。


まとめると、

・マットレスには必ず保護カバーを。

・仰向け最高。

・ノーブラ万歳\(^o^)/


それではっ!

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2021年8月22日日曜日

SLEEP「睡眠の技術」夜10時の元気に気をつけろ!

 「ダメだ、もうもちそうにない。このまま安らかに……」

ある日の午後7時過ぎ、私は必死に睡魔と闘っていました。

「気を抜くと襲われる。いや、気を抜いてないのに既に襲われている気が……」

仕事に疲れているのと、このところの睡眠不足のせいもあって、当時の私はこの時間になると無性に眠くなるという呪いにかかっていました。

カクッと首が落ちて、その反動で意識を取り戻す。

そしてまた勝ち目のない戦いに挑む。

「寝たいときには眠れないというのに何故?しかし今寝ると変な時間に目が覚めるだろうし、そうしたらまた眠れなくなるし……、あと3時間、3時間耐えてから眠ろう。そうすれば今夜は即爆睡、そして明日の朝には清々しい目覚めが」


……そして3時間後。

私はPS4のコントローラーを手に、爛々と目を輝かせてゲームに熱中しているのでした。

「あんなに眠たかったのに、いつも夜10時くらいになると急に復活するのは何故だ?さっきまでのあの睡魔がまるで嘘のように、今私の体にはエネルギーが満ち満ちている」

こうなるともう諦めるしかありません。おそらくいつものように、午前3時頃に仕方なく床に就き、それから起床時間まで悶々とした地獄の時間を過ごすことになるのです。


皆さんはこのような経験がありませんか?

夕方、眠くてだるくて仕方がないのに、それを我慢していると夜急に元気になるという現象。

私はよく経験していたのですが、その理屈が全く分かりませんでした。

(まあ、さほど深く考えたことも無かったというのもありますが)


実はその答えらしきものが「SLEEP」に書かれてあったので、要約して紹介しようと思います。

一般的に我々は夜眠り、そして日中は働いていますが、身体の内部では毎夜睡眠中に大規模な突貫工事が行われています。例えば記憶の整理、炎症の修復、体の強化や日中取り入れた物質の合成等など。さらに脳に至っては睡眠中は脳細胞が約60%縮小する為、その効率はさらに高まるということです。

つまり我々の身体は、まるで高速道路の修復工事のように、毎夜ひっそりと誰にも気づかれることなく修復、強化、再生などの大仕事をこなしている訳です。


メラトニンという、脳内の松果腺を中心に生成されるホルモン物質があります。

これは、寝る準備が整ったことを細胞に知らせる役目を担っているらしく、外が暗くなるにつれて自然分泌されるそうです。

そして、午後10頃になるとメラトニンの生成量もピークを迎え、すると体は睡眠中の大工事に備え、代謝エネルギーを増加させるそうです。

これが「夜10時に急に元気になる」現象の謎です。


そうです。

私は、本来睡眠中に使用されるべきエネルギーをPS4のゲームに費やし、自分の修復をおざなりにしてまで一生懸命某ソニーに貢いでいた訳です。

ゲームでエネルギーを使い切ってから寝ても、もはや身体を修復するエネルギーはほとんど残っていません。おそらく効率はガタ落ち。いつまでたっても開通しない高速道路、いやむしろ修復工事が進行中にもかかわらず、なぜか老朽化だけ進行する実に不可思議な道路のようなものです。


よく、夜10時から夜中の2時までは睡眠のゴールデンタイムだといわれます。

恐らく最も工事がはかどる時間帯なのでしょう。

なんとなく納得がいきました。

そういえば、世界に名だたるプロスポーツ選手などは、睡眠には非常に気を遣っており、毎日約8時間はきっちり眠るそうです。

なぜなら、夜に体をきっちり修復できなければ、次の日に質の高い練習が出来ないからです。(毎晩呑み歩くどっかのプロ野球選手とは大違いですね)

どこでもきっちり眠れるという素質と自制力も、スポーツに関わる重要なファクターなのです。


そうそう、メラトニンについてもう一つ。

メラトニンの生成、分泌は、日中に光を浴びた量に大きく左右されるそうです。

特に紫外線B波は重要です。

以前にも紹介しましたが、人間はビタミンDを紫外線B波を浴びることでしか生成できませんし。

私は日中ずっと室内だけど、カーテンを開けて日の光を十分に取り入れているから大丈夫!

、と思ったそこのあなた。

カカオ抜きのチョコレートくらい「あまい!」。

紫外線B波はガラスによってほとんど遮断されてしまいます。

ちなみにA波は波長が長いため、ガラスも難なく通過して十分に日焼けもしますが。


どうやら、人間は外に出ないと生きられないようになっているようです。

考えてみれば、遠く太陽から発せられ、そのほとんどを大気のオゾン層や地球の電磁バリアで吸収され消滅してしまう紫外線B波。

そして、ガラスにさえ遮断されてしまう紫外線B波。

このほとんど奇跡とも呼べる「地表に届いた紫外線B波」の恩恵を(タダにも関わらず)享受しないのは実に勿体ない事です。

一日30分は外を歩きましょう。


まとめると、

・夜10時の元気に気をつけろ!

・窓の内からは太陽の恩恵はうけられない!

・ソニー、PS5はなぜ買えないのだ!


以上。


それではっ!

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2021年8月20日金曜日

「ヒツジ」は美しい。なぜ?

ヒツジが1匹、

ヒツジが2匹、

ヒツジが3匹、

……ヒツジが10匹……

……ヒツジが58匹……。


「ダメだっ、寝れない。ヒツジ数えたら寝れるんじゃないのか?」

私は布団の中で、ある意味ヒツジの呪いにかかっておりました。

「いやむしろ寝れなくなる。頭の中でヒツジがどんどん躍動していって、気が付くと壮大なスケールの大自然が展開されている」


ヒツジを数えると眠りにつきやすくなるという理由の一つとして、ヒツジをあらわす英語が「Sheep」で、それが眠りをあらわす英語「Sleep」に似ているからだというものがあります。なので頭の中で「シープ」を繰り返しているうちに「スリープ」、つまり「寝ろ寝ろ」と自己催眠がかかるという理屈なのですが、どうなんでしょう?

少なくとも、日本語では何の意味も無さそうです。


日本語、特に漢字におけるヒツジの意味としては全く別のものがあります。

「羊」

これに「大きい」を合成すると「美」。

羊は美しい。

なぜ?


「論語」によると、中国において「羊」は宗教的儀式で供物として捧げられていたようです。つまり人間の為に、その命を(強制的に)差し出していたのです。

ちなみに、羊に我を合成すると「義」。

まさに羊とは「犠牲」の動物であり、そして大きな犠牲は「美しい」のです。

要約すると「他者の為に自らの命を差し出す」、この究極の利他的行動こそが「美」であると。


サマセット・モームの小説「月と6ペンス」の主人公は、人の決めた善悪にこだわることなく究極の「美」すなわち「神の目」を追い求めました。

彼との会話に以下のようなものがあります。


「何をしても、全て一般的なルールからはみ出さないように行動しなさい」

「聞いたことも無いが、くだらん」

「カントの言葉ですよ」

「誰の言葉か知らんが、なんにしてもくだらん」


この小説では美について以下の階層構造が垣間見れます。






美は善悪を包含し、その概念を超えたもの。

つまり、善とか悪とかいうカテゴリーで綺麗に分割できないものが美であると。


論語の羊でいうと、羊を殺すことだけをみれば悪ですが、人の幸福を願う祷りは善です。

祷りの為に羊を捧げるという行為全体でみれば、それが単純に善悪では分けられないものになるのです。


ここで「美」の究極の事例を紹介しましょう。

「神風特攻隊」です。

自殺は悪です。もちろん戦争も(ある意味)悪です。

当時の軍令部の態勢とか、世論の在り方など色々あるでしょう。

しかし、命を投げ出して祖国を救うその志は大いなる善に違いありません。

まさに究極の利他的行動であって、究極の自己犠牲です。

美の定義として、ここまで述べてきた事が全て当てはまります。

ゼロ戦が敵艦船に急降下突撃する様をみて「美しい」と感じるのは私だけではないと思います。これがもしドローンだったらこうは感じないはずです。


神風と同じような行為として近年のイスラム原理主義者による自爆テロなどが挙げられますが、これは美ではありません。

根本的に異なっている部分があるのです。

自己を犠牲にはしていますが、その動機は決して利他的ではありません。

イスラムの死後の世界は、生前ジハードを為したものにとって桃源郷であり極楽浄土です。

飢えの無い絢爛豪華な世界で、美しい処女(少女)と毎日セックス。

敬虔な信者の動機としては十分です。

終末の後、自分は天国に行けますようにと祈るキリスト教や、南無阿弥陀仏と、死後極楽浄土へ往生できるよう祈る日本仏教もさして違いはありませんが。


利他的行動や自己犠牲は「愛」ととることも出来ます。

子を思う母の愛とか言いますが、それは美でしょうか?

日本の愛と違って古代ギリシャには4つの愛がありました。


1.agape    アガペー    神の愛、利他的な愛。

2.philo    フィロ    広く「好む」という意味

3.storge    ストルゲー    親子の愛、家族愛

4.eros    エロース    性愛、恋愛


もちろん最上の愛は1です。

3と4は低く見られます。

なぜなら、これらは人間だけでなく動物も普通に持っているからです。

すなわち古代ギリシャ的に捉えると、母の愛は美とはならないのです。


「美」について(たしか)幸田露伴はこう言いました。


美とは人間の主観であり、故に人間そのものである。

人間の数だけ美が存在すると言っても過言ではない。

ところで、例えば誰かにこれまでのあなたの人生、あなたの存在意義、あなたの抱く理念等、これらについて何かしらの手段を使って簡潔に説明して下さい、と言われた時、我々は一体どうするだろう?

画家はそれを一枚の絵で表そうとしたのだ。

それには本能(欲や情念)への隷属から自分を解放し、ただ理知(神)の目を持って自己を客観視する必要があった。

それは恐ろしく辛い作業である。

ただ理性と情熱だけをもって、欲を殺し、社会から孤立し、ただ自らの内に入ってそこで掴んだものを絵に写し取る。

そのような神に近い行為を持ってしなければ自分の美を外界で再現することは出来ないのだ。


そういえば村上春樹の小説に「羊をめぐる冒険」というものがあります。

彼はこの小説を書くにあたって次の動機を挙げています。

「まず第一に主人公が孤独な都市生活者であること。それから、彼が何かを捜そうとしていること。そしてその何かを捜しているうちに、様々な複雑な状況に巻き込まれていくこと。そして彼がその何かをついに見つけたときには、その何かは既に損なわれ、失われてしまっていることです。」


彼が羊や美を意識していたのかどうかは知るところではありませんが、人知から離れたところで何かを求め、同時に何かを失うというのは、美の崇高さと儚さに妙に一致するところがあります。


本来芸術家の追い求めているものはこれほど過酷なものであって、ほぼ一生涯をかけても辿りつけない境地にあるものなのです。

また、辿りついたところで誰も理解してくれないかもしれません。

いや、人の理解など求めてはいけないのでしょう。

それでも人は美を追求したくなるのです。

前回の記事で紹介した「探求心」の源、ドーパミンのせいでしょうか?

とにかく「知りたい」、ゆえに「探す」のです。

1,000匹目のひつじはどこにいるのか?

いや違う!

美はどこにあるのか、を。


それではっ!


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2021年8月18日水曜日

SLEEP「睡眠の技術」ブルーライトの弊害!

 帰宅すると玄関先に段ボール箱が1つ。

「Amazonか。さすがに仕事が速い……でも何だろう、この気持ち。なんか……ムカつく」

それは購入後1ヶ月経たないうちに永眠した”Amazon Fire HD 8 タブレット”の代替品でした。

メールボックスには”配達完了:ご注文商品の配達が完了しました”と題したメールが入っていました。

それは、いかにも

「ほら、ちゃんと届けたぞ!文句ないよな。無いはずだ!いや、あっても言うな。いいか、これで一旦終了だ!さあ、有り難く受け取れ。またのご利用をお待ちしている」

と言っているように見えました。

私は早速箱を開けて、中身を確認しました。

相変わらずスカスカの箱です。


そういえば、ご存知でしょうか? なぜAmazonの箱はスカスカなのか?ということを。

実はAmazonの箱は商品に合わせて作られていません。

あれはコンテナ詰めの効率を最小限にするため、或いは検品や管理の手間を抑えるために、僅か数種類のサイズしか設定していないのです。

なので(見たことは有りませんが)Amazonのコンテナの中は、隙間無くビッチリと箱が詰まっている事でしょうし、コンテナ詰め自体の作業効率も高いのだと思われます。

商品を詰める箱の中はスカスカなのに、箱を詰めるコンテナの中はビッチリ。

要は「大きな無駄を削減する為にあえて小さな無駄を作っている」という事です。

この辺の目の付け所は、やはり流石だなと思います。

私はこれを見て、Amazonが大企業にありがちな縦割り企業ではなく、横串も通せるような強い権力を持つ指揮官や経営者がいることを示唆しているように思いました。

更に、もしこれが日本の企業だったら、いかに商品にぴったりの(一見)ムダの無い箱を「安く速く」作れるか!ということに囚われ、例えそれが出来たとしても、結局その後の工程(コンテナ詰めや管理)で大きな手間や無駄を生じさせ、全体としては結局何がしたかったんだ!という事になるだろうな、と思いました。

まさに縦割り大企業の弊害です。


まあそんな(無駄な)ことを考えながら、私は無駄なようで無駄ではないAmazonの箱を開け、大して見たくもない”Amazon Fire HD 8 タブレット”をとりだしたのです。

「また一から設定か。またすぐ壊れるんだろ、お前」

こう言う場合、あまり期待をしないようにするのが一番です。

過度の期待は深い絶望の素です。

一通り設定を終えたころ、タブレットの画面がふと暗くなっていきました。

最近はやりのお休みモードです。

睡眠を阻害する青色光(ブルーライト)を抑えるために、決まった時間になると勝手に全体が赤茶色っぽくなるのです。


と、ここで奇跡的に繋がりました。

なにがって、今回のテーマ、”SLEEP「睡眠の技術」……ブルーライトの弊害!”にです。

著書には、なぜブルーライトが睡眠を阻害するのか?そしてその対処法が書かれていました。

なので今回もここでその要約をしたいと思います。


スマホやPC、テレビなどの電子機器が発するブルーライトは、本来日中に分泌されるべきホルモン(コルチゾールなど)の生成を促します。

なので、それを浴び続けてると脳はなかなか睡眠モードに移行出来なくなります。

さらにインターネットやTVゲームなどには、ドーパミンを生成する働きがあります。

かつて「快楽」を司る物質だと言われていたドーパミンですが、今は「探求心」を司る物質として認識が変わっているとのこと。

これは太古の人類に置き換えて説明すると

「獲物を探す、そして先がどうなるのかを知りたい」

という欲求です。

脳はこのドーパミンが分泌されている状態が大好きだとのこと。人間がゲームだけでなく読書、芸術、モノづくり、そして冒険などに魅入られる理由がここにあります。


さてこの就寝前のネット利用を回避する為には、1つには気付いた時に何か別の事をする、例えば水を取りに行く、ストレッチをする、子供と遊ぶなど何かパターンを決めておく事が重要だという事です。

著書によれば、人間の脳は「探求」と同じくらい「パターン化」するという行動も大好きなのだという事です。

しかし、これはあくまでも能動的な対処法なので自らの意思に拠るところが大きく、なかなか実行に移すことが難しいと思います。

なので、「せめて影響を最小限にしたい!なにかツールの力で」、という受動的な対処法もあります。

PCの画面にも”Amazon Fire HD 8 タブレット”と同様に、お休みモードを導入するのです。

色々なフリーソフトがあるようなので自分に合ったツールを探せば良いと思いますが、私は著書で紹介されていた「f.lux」というフリーソフトを早速導入して使っています。

https://justgetflux.com/




英語なんであれですが、自分の住んでいる大体の場所を入れれば日の出、日の入りの時間が設定され、「日中」「日没後」「深夜」の3段階で画面の色目が変化します。

深夜になると見るのが嫌になるくらい赤黒くなるので「もう寝よか」というきっかけにもなると思います。(ちなみに一時的に日中に戻したいときもワンクリックで可能です)

これで就寝前にじゃんじゃん浴びていたブルーライトの光量を、ずいぶん抑えられると思います。


あと読んでいて「へぇー」と思ったことがあるので最後に1つ。

日差しの強い時にかけるサングラス。

あれ、きちんと紫外線カット処理が施されたものを使っていないと割とマズい事になります。

オシャレサングラスのようにただ単に色がついているだけのものは、眩しさを抑える分には良いと思います。

但し目に見えない紫外線は別です。

オシャレサングラスをかけると当然暗くなるので、目の瞳孔は大きく開かれます。

その大きく開いた瞳孔めがけて、紫外線が容赦なくジャンジャン降り注ぐのです。

間違いなく目をやられます。

雪山などで起こる「雪目」の状態です。


紫外線の多い日にサングラスでオシャレをするのは「視力と引き換え」だという事を覚えておきましょう。

ちなみに私はオシャレサングラスは持っていません(偶然)。

一応きちんと紫外線カット処理された(バカ高い)オークリーなどの”オシャレじゃないサングラス(スポーツ用)”を使っています(使う機会はほぼありませんが)。


皆さんも気をつけましょう。

それではっ!

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2021年8月17日火曜日

SLEEP「睡眠の技術」マグネシウムだとっ!

「 さて、朗読の音録りでもするか」

私は動画作成の為、マイクをセットし、スクリプトを表示する為に最近購入した

”Amazon Fire HD 8 タブレット”の電源スイッチを押した。

「あれ?点かない」

何度か押してみた。充電ケーブルをつないで押してみた。USB端子に挿して押してみた。とにかく色々押してみた。

「ダメだ!ぐっすり寝ている。どちらかというとお前は寝るべきではない!」

その後ネットを参照してリカバリーや初期化も試したのですが、結局無駄でした。

やはり「安かろう悪かろう」なのか。

ネットには私と同じ症状の案件が多数あがっていました。


一月前のセールで約7,000円にてゲットしたタブレット。

安すぎないか?と、不安と期待と不安と不安に胸を膨らませてゲットしたタブレット。

私は、すぐさま返品交換手続きを行いました。

メールボックスには、ずっとほったらかしにしてあったAmazonからの「お客様のご意見は当社にとって重要です !」と題したレビュー依頼のメールが今も残っていました。

「今こそ正確で適切なレビューが書けるのではないだろうか?」

そう思いましたが、これ以上無駄に時間を費やしたくなかったのでスル―です。

Amazonの返品システムは実にシステマティックに出来ていました。

ワンクリックでチャット、電話、返送用の段取りが出来てしまいます。

私はこの恐ろしく正確で事務的で機械的な処理が、いかにもAmazonっぽいなぁと逆にムカついてしまいました。

まさか、不良品&返品率20%込みこみで値段設定しているのではないだろうか?

出荷時の検品は?品質保障は?

故障前提?一体誰が幸せになるんだ?このシステムは!


今回の不具合ですが、私の知見と経験からすると、おそらくバッテリーの電圧を制御するLSIの故障のような気がします。

リチウムイオンバッテリーは過充電で発火、爆発します。(中国などでスマホが爆発!などの事故は大体これが原因なのでは?)

なのでそれを制御するLSIが必要になるのですが、これがしょぼいと電源が入らないなどの不具合、最悪バッテリーが発火となるわけです。

価格からして全ての部品が粗悪品(歩留まりの低いもの)を使っていると思われますので、代替品も期待せずに待っていようと思っています。


さて、前置きが長くなりました。

こんなはずではなかったのですが、あまりにもAmazonタブレットにムカついて……

もう二度とAmazonブランドは購入しない!

そう固く誓う私でした。


そうそう、今度こそ本題ですが、現在読書中の「SLEEP」。

タイトルにあるようにマグネシウムの話をしましょう。


私にとってマグネシウムとはあくまで合金に使われる金属であり、例えばレーシングカーのホイールやノートPCの外殻など、軽量で剛性が必要な部分を担う高価な素材というイメージしかありませんでした。

しかしこの著書はあくまでも健康本。当然、マグネシウムも人体との関わりにおいて登場します。

マグネシウムは現代人にとってかなり不足しがちなミネラルにもかかわらず、その役割は(特に健康にとって)重要なものばかりです。

・抗ストレス作用

・血糖値の調整

・血流、血圧の調整

・痛みの緩和

・神経の昂ぶりを鎮静化


その上、サプリなどでとるのがかなり難しいとの事。

なぜなら、経口摂取したマグネシウムの大部分は消化の過程で失われるからです。

ではどうやってマグネシウム不足を補えばいいのか?

人体は実にうまく出来ています。

なんとマグネシウムは経皮摂取(皮膚を通じて)が可能なのです。

ググってみると、バスクリンにマグネシウムが配合されているものがありました。


「腰痛、肩こりに」と書かれていますが、著書の通りならばその効力はそれに留まらないようです。

「こんなもん肌に触れただけで効くわけないだろ!プラシーボ効果に違いない!」

今まで私はそう思っていましたが、この本を読んで(特に経口摂取の部分)

「なるほど。確かに。さすがバスクリン」

なんて思いましたが、説明書きを読んでみるとどうも炭酸ガスの方ばかりを押している模様。

本当にきちんとマグネシムが配合されているのかどうか念のため主成分の方にも目を通しましたが、素人の私の目にはそれらしい表記が見当たりませんでした。

「まさか、マグネシム温泉”風”というだけなのでは……」

真偽のほどは定かではありませんが、念のため著書に出ていた商品も紹介しておきましょう。


エプソムソルト:硫酸マグネシウムの一種。入浴剤。


イーズ・マグネシウム:吸収率、純度100%のマグネシウムスプレー。

           4~6プッシュし、胸、首、肩などに塗ってマッサージする。


見たところ、どちらも欧米で開発販売されているもののようで、まだこの手の商品は日本ではあまり認知されていないのではないでしょうか?

少なくとも私は初めて知りました。

一般的な入浴剤やマグネシウムスプレーの吸収率はせいぜい20%だということを考えると、イーズ・マグネシウムは凄いですね。Amazonでは売り切れになっていました。


まあ海辺に住んでいれば日々風を浴びているだけで事足りそうですが、そうでない場合マグネシウム不足を補うのは割と骨が折れるようです。

ちなみにマグネシウムを多く含む食品(かつアルミニウムが少ないと眠りにはより良い)は、葉野菜、カボチャの種、ゴマ、ブラジルナッツ等だそうです。


マグネシウムが不足すると慢性的な不眠症に陥るという調査結果もあるらしいのですが、私としてはそこまで重要なら経口摂取でまかなえるように人体も変化しているのでは?なんて疑問も湧いてきてしまうので、今のところはまあ経済的に余裕があれば試してみてもイイのでは、くらいにしておきましょう。


それではっ!

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2021年8月15日日曜日

SLEEP「睡眠の技術」門限は午後2時!

 「よし、やっぱりマズい、それに薄い」

そのコーヒーは、やっぱりマズかった。

「でもまあマズくて濃いよりはましか。まだガムシロでごまかしが効くから。マズい上にその味を主張してくる奴よりかはまだ……」

どうやら最近の私は、自分自身を慰めるのが上手くなったようです。淹れるコーヒーはマズいのですが。

こうして、1つ朝の苦行を終えた私は、最近借りてきた本「SLEEP」のページをめくりました。

この本は、睡眠が人間にとってどのような影響を及ぼしているか、そして睡眠の質を上げるにはどうすればいいのかなど、私たちが知っているようで実はあまり知らない「睡眠」について、アメリカの健康アドバイザー、ショーン・スティーブンソンが著わしたものです。


ページをめくり、いきなり私の目に留まったのは『「コーヒーを飲むと眠れなくなる」は本当』と書かれた見出しでした。

「タイムリーすぎだ!今朝のは逆にマズくて気を失いそうだったが」

「とにかく早く見せろ!早く見たい!よく見せてみろ!」

私はまるでストリップ小屋でステージにかじりつく客のように、すぐさまその見出しが示すページへと飛びました。


まず私が「へぇー」と思ったのは、カフェインが及ぼす脳への作用でした。

脳は働いている間(つまり日中)常に「アデノシン」という副産物を生み、それが一定レベルに達すると「疲れたぁー」或いは”リラックス”となるらしいのですが、

そこにカフェインが入ってくると、アデノシンの受容体と勝手に結合し、アデノシンはいつまでたっても一定レベルに達していないと脳に認識されます。

つまり、脳はカフェインがいるかぎり「活動モードを解除しない」のです。

ちなみにカフェインの半減期は5~8時間、つまり8時間たっても半分残っているということです。なので、晩御飯の後に採るのは厳禁です。

さらにカフェインはアドレナリンとコルチゾールの分泌を促します。

アドレナリンは興奮の源、コルチゾールは緊張、ストレスの源、どちらも生存には欠かせない重要なホルモンですが、睡眠には邪魔となります。


「なるほど、つまりコーヒーは睡眠を阻害する、と」

私は夕方にもコーヒーを飲んでいますが、半減期を考慮するとそれでも就寝時にはカフェインがきっちり残留していたという事になります。

著書にはこうあります。

「カフェインの門限は午後2時」

カフェインの脳への作用を鑑みると、頑張らないといけない時には薬であり、逆に頑張ってはいけない時には毒になるということです。


記憶は定かではありませんが、コーヒー、紅茶、緑茶、チョコレート(カカオ)などのカフェイン含有食品は昔は薬剤として服用されていたような気が……。

そして薬なら当然、用法用量は必ず守らないといけません。

(コーヒーは朝食後に一杯、チョコレートは昼食後に1かけら、とか)

薬をペットボトルでがぶ飲みなど、考えてみればおかしな話です。

恐らく副作用の方が強く出てしまうでしょう。

(私のコーヒーはコーヒー味の白湯なので毒にも薬にもならないような気がしますが)

まあ見た感じ、現在の市販チョコレートはカカオ味の砂糖菓子ですし、紅茶は紅茶味の砂糖水なので薬にはなりそうな気はしません。

甘い話、甘いささやき、甘い誘惑、甘い味。

とにかく、「甘い」に気をつけましょう。

昔から、”薬は苦いもの”と相場は決まっているのですから。


「よし、夕方のコーヒーを止めてみるか。幸い?今飲んでるコーヒーはマズい!なんかできそうな気がする」

意味不明の理屈と、明日になったら綺麗さっぱり忘れていそうな小さな決意を胸に、私はSLEEPに没入していくのでした。


それではっ!

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2021年8月13日金曜日

ある日の出来事「コーヒーなのかコーヒー味の白湯なのか、どっちなんだいっ!」

 「おっといけない!コーヒー、買っとかないと」

私は朝起きると、コーヒーメーカーでコーヒーを淹れて飲むのが習慣になっているので、危うく在庫切れになりかけていた家のコーヒーの事を思い出して、スーパーで目に入ったあるコーヒーに手を伸ばした。


夏はずっとアイスコーヒーである。

熱い淹れたての濃いめのコーヒーを、氷一杯のグラスにゆっくりと注ぐ。

ストローをさして、たまにガムシロップを入れて、グラスの中を気が済むまでかき回してから一口。

至高のひと時である。

なんだか、一日の始まりをやさしく告げられたような、眠気をそっと拭い取ってくれたような、そんな気がする。

つまり、コーヒーは私にとって毎日を規則正しく過ごすために無くてはならない存在となっているのだ。


そして、今回スーパーで手を伸ばしたのはこのコーヒーだった。










安さに負けた。

頻繁に無くなるので、とにかく”半額”という通常の値段設定の理不尽さに戸惑いながらも、とにかく安さに負けたのである。

私は棚に大量に陳列されていたこのコーヒーを、とりあえず”騙されるわけはない”と思いながら騙されたつもりで購入した。


翌朝、私はいつものようにコーヒーメーカーでコーヒーを淹れた。

もちろん昨日購入したコーヒーだ。

「粒が粗い。それも異常に。まるでビーズのようだ」

私は少し嫌な予感がした。というより、これから”嫌な体験をするだろう”という、ほぼ確信に近い予想を抱いたのだ。


数分後。

コーヒーメーカーから景気よく湯気があがり、湯を吸い上げる「ゴボゴボゴボ」という音が聞こえてくる。

「良い音だ、癒される」

暫く待っていると、音が止んだ。

少しおいて、私は出来上がっているであろうコーヒーを見に行った。

インプット(入れた水)に対してアウトプット(出来たコーヒー)が異常に少ない。

「どういうことだ!ポットに穴でも開いているのか?」

私はまた嫌な予感がした。というより、これから”嫌な体験をするだろう”という、ほぼ確信に近い予想を再び抱いたのだ。


アイスコーヒーにして、一口飲んだ。

「?」

それはコーヒー、というよりコーヒー味の白湯に限りなく近かった。

「おい!こいつ、散々水分だけ吸収しておいて何も成分を出していないじゃないかっ」

私は「スーパーアメリカンかな?」と訝しんで、パッケージに目をやった。












一応、”コク”とか”香り”とか書いてある。

「いやいやいや、誤差だろぅ全部。そもそも5点満点の基準は一体なにと比較してのものなのだ」

私は一瞬、比較対象は水なのだろうか?とも思ったが、それでは陳列する棚が間違っている、桃水とかそういうものと一緒に並んでいなければならない。


私は一応自分の味覚を疑ってみたりもした。

でも牛乳は牛乳だったし、ゆで卵はゆで卵だったので恐らく問題は無い、というかいつもの自分のはずだ。

「こいつとこれから毎朝過ごすのか!それも割と多いぞ、これ」

私は朝から一種の絶望に近い……いや絶望を感じていた。

「未来が見えない、あぁ鬱になりそうだ」


もう少し冷静になろう。たかがコーヒーじゃないか。私は自分にそう言い聞かせ前向きな理屈をひとりごちた。

「いくらなんでもちゃんとしたメーカーが作って販売しているのだし、そこにはおそらく開発者がいて企画者がいて品質管理者がいて、それにエチオピアの生産者がいるはずだ。Goサインを出した責任者だっているわけだし、もしかしたら私の舌や鼻がまだ慣れていないだけなのかもしれない。きっと飲んでいるうちに良さが分かってくるさ」


本当にそうなればいいと思っている。

また明日の朝も淹れてみよう。

メーカーを信じるんだ。


それでも私は、スーパーで観たあの半額マークを貼られて棚にうずたかく積まれていた光景を、思い出さずにはいられなかった。


つづく……



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2022年、明けましておめでとうございます

細雪の舞うここ京都。 つい先ほど、私は家から歩いて5分の神社で2022年の初詣をして参りました。 コロナ過という事もあって例年の賑やかさは有りませんが、それでもやはり日本人。 恐らくご近所と思われる方々が、本殿の前に列を作っていました。 時計を見ると0時2分前。 しばし小雨まじり...