「頭が痛い。ここしばらくご無沙汰だったのに、忘れた頃にひょっこり現れやがる!」
最近はそれほどでもないのですが、以前は割と頻繁に襲われていました。
一旦こうなると、頭痛薬を飲んでひたすら収まるのを待つしかありません。
すぐに収束することもありますし、なかなか引かずに翌日まで持ち越す場合もあります。
おそらくストレスが原因だと思うのですが、やっかいなものです。
今回のはそれほど重くなさそうだったので、私は気分転換がてらにちょっと散歩に出かけました。このくらいだと、軽く汗をかくだけで快方に向かう場合もあるのです。
夏の終わり、あれほど狂気の叫びをあげていた蝉もずいぶんおとなしくなりました。
肌をさわる風の感触が、これまでとは明らかに違ってきています。
「そろそろ秋が来るのか?」
30分ほど歩き、足取りは徐々に軽やかになってきました。
色々な考えが頭の中を巡り、やがて痛みはその場所から消えていきました。
誰も居ない公園で少し休憩しました。
大きな木を見上げると、幹に蝉が無言のままとまっていました。
土に生まれ、地上でひと夏過ごした後再び土に還る、地面大好きな奴です。
「子供の頃だったら即手で捕まえてたな。今となってはその目的も理由も全く理解も想像もできないが」
私は(恐らく)この世に別れを告げているであろう蝉に別れを告げて、その公園を後にしました。帰宅してすぐシャワーを浴びました。「軽く汗を」のつもりが全身びっしょりになって、違う意味で倒れそうになりましたが。
「あーすっきりした」
私はそろそろ読み終える「SLEEP」のページを繰りました。
そこには、こんな記事が載っていました。
■抗酸化作用のカギを握る自由電子。
好中球は損傷している部分にフリーラジカル(活性酸素)を運ぶ。
フリーラジカルは+(プラス)の電荷を帯び、有害な細菌を死滅させ、組織の修復を行う。
よく世間で老化の元凶、存在自体が悪、の代名詞として紹介されている
「活性酸素(フリーラジカル)」
です。
よくよく読んでみると、活性酸素はむしろ良い奴なのでは?
どうやら体の修復をしてくれるようです。
ではなぜ世間で悪者にされているのか?
それはこう言う理屈です。
炎症の真の原因としては、フリーラジカルが暴走して関係の無い周辺組織に飛び火して健康な細胞が傷つけられたときだ。
なるほど、そういうことか。
そしてそれを抑えるのが、これもよく世間で耳にする、
「抗酸化作用」
と呼ばれる反応です。
抗酸化物質はー(マイナス)自由電子を持っているので、フリーラジカルを中和して過剰な酸化を直ちに止める事が出来る。
ほう、で、何食ったらいいんだ!
ただし、ブルーベリーをたくさん食べたところで対して効果は無い。
なんだとっ!健康食品でもブルーベリー押しの風潮がはびこっているが違うのかっ!
先を読んでみるとどうやら、
経口摂取では「消化→吸収→血中へ」というステップが必要なため、かなり効率が悪いらしいとのことです。
ではどうすればいい!また寝たらいいのか!?
■アーシング(Earthing)を心掛けなさい。
アーシングとは、要は土(地面)に触れる事です。
土の表面は自由電子が一杯で、触れるだけで吸収するとのこと。
海でもOK。
ただし、コンクリートやレンガは、まあOKだがいくつかの条件がそろわなければ同様の効果は得られないとのこと。
考えてみれば、私たち人間は普段から靴を履いているので、本当に地面と触れる機会がありません。
靴の底はたいていゴムなどの絶縁物質(電気を通さない)で出来ているので、アーシングは不可能でしょう。
こう考えると、散歩中の犬はまさにアーシング状態であり(犬に靴を履かせないように!)、そのとき自動的に体内の活性酸素量の調整が行われている訳です。
しかし原始人だったころの我々ならともかく、現代人にとって裸足で歩くというのはちょっとハードルが高すぎます。
著書によると、1分でもその効果を得ることができるが長ければ長いほどいいとのこと。
「なるほど、理屈は理解できる。例えばエアコンのコンセント、精密な高出力アンプなどは必ずコンセントのアース(グランド)に接続している。LSIでもそうだ、アースしないと電圧は安定しない、下手をすれば回路は破壊される」
人間もこれと同様で、アース、すなわち”0”の基準をとってやらないと、かならずどちらかに傾いてしまいます。電子回路上では同じ10Vでも‐5~+5の10と‐1~+9の10ではその意味が異なります。きちんと0を明示してやらないと精密な電子機器は正しく動作しないのです。
そして、少なくともエアコンよりは精密でしょう、私は、そして人間は。
脳内をめぐる思考も、もしかしたら頭痛の”痛み”も、結局は電気信号です。
きちんとアース(グランド)をとってやらないと、活性酸素も(頭痛)も収まりません。
(くそっ!公園で砂場遊びでもして来ればよかった)
私は、次の散歩からは絶対に公園での砂遊びを自らに課すことを決意しました。
ちなみに著者はアーシングマットとか、アーシングシートとかいうものを使っているそうです。(裸足じゃないのかよ)
私は聞いたことの無いこの単語をググってみました。
ありました。
・アーシングマット
・アーシングシーツ
どうやら、私の預かりえぬところで睡眠業界?は進歩を続けていたようです。
アーシングをすると、過剰な活性酸素を抑制するのは前述の通りですが、睡眠時のコルチゾール量を減少させ、結果ストレスが低減するとのこと。
裸足で歩けない、散歩も出来ない、土が嫌い、という方はこれらのアーシング商品を試してもイイのではないでしょうか。
ただし、これらの商品を使うにはアース付のコンセントが必要になります(エアコンの電源が繋がっているあれです)。
すなわち、アーシングする為のマットにもアーシングが必要な訳で、結局これらの商品は地面との仲介をしてくれているだけなのです。
ご使用時にはそこだけ注意してください。
アーシングは現在スポーツにも活用されているらしく、
例えばツールドフランス(フランス一周自転車レース)を走るチームやオリンピックに参加する選手などは、怪我の治癒や体内組織の修復にこれらの技術を活用しているとの事です。
この本を読んでいて私はつくづく思いました。
太陽といい、地面といい、そんな当たり前の存在が我々にとってどれほどの恩恵をもたらしてくれているのか。
そして、それらの恩恵をなぜか遠ざけよう遠ざけようとしているこの不思議。
遮光カーテン、高層マンション、コンクリ―トの街。
効率と快適を最優先にした結果がこれなのでしょう。
こういう時代だからこそ改めて思い出さなければなりません。
我々は原始人とほとんど変わらないということを。
まとめると、
・活性酸素は割とイイ奴。
・たまには土に触って電荷安定。
・大地は太陽と同じくらい凄かった。
それではッ!
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