今日私は、これまでバラバラの点として(無駄に)私の脳内に格納されていた情報が、今一つの線としてつながったような気がしました。
これまで固く絡まっていた糸が、追加の秘薬一滴で一瞬にしてほぐれたような、なにかそのような気持ちです。(意味不明ですが……)
以前紹介した記事で「チンパンジーがゴリラを殺す……」という内容のものがありますが、そこで私は「食料を巡って、人間も変わらない。いやそれ以上」という結論を述べました。
それと直接は関係ありませんが、ある大学講座の動画でこのような論文が紹介されていました。
人 ≒ チンパンジー > ゴリラ
説明すると、チンパンジーは人とゴリラ、DNA的に近いのはどちらか?という命題における結論です。
そう、チンパンジーは圧倒的に人に近いのです。
そして最も顕著にそれを説明できるのが「食」と「群れ」における習性です。
■食ついて
人、チンパンジー : 肉を常食する珍しい霊長類
ゴリラ : 基本フルーツのみ
■群れの構成
人、チンパンジー : 複数のオスに複数のメスで構成
ゴリラ : 1頭のオスに複数のメスで構成
「群れ」の構成は食に大きく依存しています。
何故なら、肉すなわち獲物(動物)を狩る為には一人よりも複数のオスによる連携の方が圧倒的に有利だからです。
そして必然的にグループ同士は縄張りを争い殺し合う事になります。
チンパンジーは人が殺し合うよりも殺し合っているとのことです。
男が徒党を組んで争う。
これは現代の人間においては例えば戦争や、その代案としてのスポーツの形で残っていますが、特に政治政党などは実に人間らしい群れ同士の争いといえるでしょう。
男同士はとにかく争います。
面白いデータとしては同性殺人の割合、すなわち女が女を殺す割合はほぼ皆無なのに対し、男は10代後半から20代前半、すなわちお年頃(繁殖期)に同性殺人が飛びぬけて多いという事。
そしてそのグラフはものの見事にチンパンジーと一致するそうです。
どうでしょうか、だんだん周りの人がチンパンジーに見えてきませんか?
で、ここまでで言いたかったのは人間とチンパンジーは似ているということなのですが、もっと言いたいのは、決して=(イコール)では無いという事。
それでは、次に「違い」について説明します。
同じように群れを作る人とチンパンジーですが、決定的に異なるのは、メスの振る舞いです。
人のメス?は群れるのが大好き(コミュ力が高い)ですが、チンパンジーのメス同士は群れません。(同じ群れの中にいるのに)
彼女らの人?生におけるコミュニケーションは、発情したときのオスと出産したときの子供、これだけです。
人に有ってチンパンジーに無いものがあります。
「老年期」です。
人のメス?は閉経後も実に長生きです。
ところがチンパンジーに閉経はありません、生涯現役です。現役のまま50歳前後で死ぬのです。
つまり、チンパンジーに老年期はありません。
ではなぜ人には老年期があるのか?(子供を産めなくなっても生きる必要があるのか)
それは群れの中できちんとした役割が用意されているからです。
人の群れは決して肉を獲るためだけに構成されている訳ではありません。
それよりもっと重要な意味があるのです。
それは子供を安全にたくさん育てるためです。
人のメスは毎年子供を産めますが、チンパンジーは3年かそれ以上の周期になります。
何故なら、子供に手がかからなくなるまでやっぱり3年ほどはかかるからです。
人の群れはそれを役割で解決しています。
老年期の男女、つまりおじいさんとおばあさんも一緒に子育てをするのです。
人は年と共に寝る時間帯が変化します。
赤ちゃん : 寝たり起きたり。
子供 : 21時 - 7時
青年 : 24時 - 8時
大人 : 26時 - 9時
老年 : 21時 - 26時
つまり、狩りや子育てで忙しい大人が寝るころ(26時)にジジババが起きて来て、赤子のお守りをしてくれたり、火の番をしてくれたりするのです。
実にうまい具合に出来ていると思いませんか。
更に女同士のコミュ力によって、お互いの子の面倒も見合える。
この群れ構成によって、女は毎年出産しても安全に子供を育てる事が出来、さらに閉経後も群れの中での役割を担えるわけです。
人が猿と分かれて300万年とも600万年とも言われますが、このような生活を人は太古の昔から営んでいたのです。
「そりゃ人口も増えるわけだ!」
現在の人間は「群れ」(ご近所付き合い)から核家族化、そして個人主義へ移行しています。
「食」と「安全」が確保しやすくなったからです。
ある統計によると、(ニュースを見る限りそんな風には思えませんが)現代の人間の殺人率は徐々に減っているそうです。
これも上述の理由からでしょうか。
チンパンジーとの「群れの構成」における共通点は今後さらに薄れていくのでしょうか?
いや、そうとも言い切れません。
ボノボというチンパンジーの仲間、というかチンパンジーがいます。
彼らはチンパンジーのような群れを作りません。
何故なら豊かな森に住んでいるので、狩りをする必要がない(肉食ではない)からです。
どうやら人間は、ボノボとチンパンジーの中を揺れ動いているようです。
しかし人間から老年期は無くなりません。(何万年後には分かりませんが)
役割を失った老人の生き方。これは非常に大きな問題です。
人は居場所が無ければ生きられません。
居場所とは、自分が居たいと思うだけでは作れません。
誰かに望まれ必要とされなければ、そこは居場所にはならないのです。
睡眠中にオキシトシン(心を鎮め、睡眠を促すラブホルモン)を得る最良の方法は、パートナーと(SEX含め)触れ合うことだそうです。
触れ合う事で、自分がパートナーを必要とし必要とされていることを実感し、オキシトシンが放出されるのだとか。
ショーペンハウアーがこんな事を言いました。
・老年期における貧困は非常な不幸である。
貧困が征伐され健康が保たれていれば、一生の内老年期と言われる部分は結構苦にならぬ年齢期である。
もちろんお金も大事ですが、どうやら現代の我々にはそれだけでは不十分なようです。
(ショーペンハウアーの時代とは生活スタイルもずいぶん変わってしまいました)
このようなことを踏まえ、老後の自分の立ち位置、居場所をしっかり確保する必要があるように思います。
孫の世話が出来るならそれは最良。
無理ならなにか社会貢献、サークル活動、SNSによる発信などなど。
とにかく「自分は生きていても良いんだ。あわよくばもっと生きたい」と思える何かを見つけましょう。
人 ≒ チンパンジー ではなく
人 〉チンパンジー にならないと。
それではっ!
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