「よし、やっぱりマズい、それに薄い」
そのコーヒーは、やっぱりマズかった。
「でもまあマズくて濃いよりはましか。まだガムシロでごまかしが効くから。マズい上にその味を主張してくる奴よりかはまだ……」
どうやら最近の私は、自分自身を慰めるのが上手くなったようです。淹れるコーヒーはマズいのですが。
こうして、1つ朝の苦行を終えた私は、最近借りてきた本「SLEEP」のページをめくりました。
この本は、睡眠が人間にとってどのような影響を及ぼしているか、そして睡眠の質を上げるにはどうすればいいのかなど、私たちが知っているようで実はあまり知らない「睡眠」について、アメリカの健康アドバイザー、ショーン・スティーブンソンが著わしたものです。
ページをめくり、いきなり私の目に留まったのは『「コーヒーを飲むと眠れなくなる」は本当』と書かれた見出しでした。
「タイムリーすぎだ!今朝のは逆にマズくて気を失いそうだったが」
「とにかく早く見せろ!早く見たい!よく見せてみろ!」
私はまるでストリップ小屋でステージにかじりつく客のように、すぐさまその見出しが示すページへと飛びました。
まず私が「へぇー」と思ったのは、カフェインが及ぼす脳への作用でした。
脳は働いている間(つまり日中)常に「アデノシン」という副産物を生み、それが一定レベルに達すると「疲れたぁー」或いは”リラックス”となるらしいのですが、
そこにカフェインが入ってくると、アデノシンの受容体と勝手に結合し、アデノシンはいつまでたっても一定レベルに達していないと脳に認識されます。
つまり、脳はカフェインがいるかぎり「活動モードを解除しない」のです。
ちなみにカフェインの半減期は5~8時間、つまり8時間たっても半分残っているということです。なので、晩御飯の後に採るのは厳禁です。
さらにカフェインはアドレナリンとコルチゾールの分泌を促します。
アドレナリンは興奮の源、コルチゾールは緊張、ストレスの源、どちらも生存には欠かせない重要なホルモンですが、睡眠には邪魔となります。
「なるほど、つまりコーヒーは睡眠を阻害する、と」
私は夕方にもコーヒーを飲んでいますが、半減期を考慮するとそれでも就寝時にはカフェインがきっちり残留していたという事になります。
著書にはこうあります。
「カフェインの門限は午後2時」
カフェインの脳への作用を鑑みると、頑張らないといけない時には薬であり、逆に頑張ってはいけない時には毒になるということです。
記憶は定かではありませんが、コーヒー、紅茶、緑茶、チョコレート(カカオ)などのカフェイン含有食品は昔は薬剤として服用されていたような気が……。
そして薬なら当然、用法用量は必ず守らないといけません。
(コーヒーは朝食後に一杯、チョコレートは昼食後に1かけら、とか)
薬をペットボトルでがぶ飲みなど、考えてみればおかしな話です。
恐らく副作用の方が強く出てしまうでしょう。
(私のコーヒーはコーヒー味の白湯なので毒にも薬にもならないような気がしますが)
まあ見た感じ、現在の市販チョコレートはカカオ味の砂糖菓子ですし、紅茶は紅茶味の砂糖水なので薬にはなりそうな気はしません。
甘い話、甘いささやき、甘い誘惑、甘い味。
とにかく、「甘い」に気をつけましょう。
昔から、”薬は苦いもの”と相場は決まっているのですから。
「よし、夕方のコーヒーを止めてみるか。幸い?今飲んでるコーヒーはマズい!なんかできそうな気がする」
意味不明の理屈と、明日になったら綺麗さっぱり忘れていそうな小さな決意を胸に、私はSLEEPに没入していくのでした。
それではっ!
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