「ダメだ、もうもちそうにない。このまま安らかに……」
ある日の午後7時過ぎ、私は必死に睡魔と闘っていました。
「気を抜くと襲われる。いや、気を抜いてないのに既に襲われている気が……」
仕事に疲れているのと、このところの睡眠不足のせいもあって、当時の私はこの時間になると無性に眠くなるという呪いにかかっていました。
カクッと首が落ちて、その反動で意識を取り戻す。
そしてまた勝ち目のない戦いに挑む。
「寝たいときには眠れないというのに何故?しかし今寝ると変な時間に目が覚めるだろうし、そうしたらまた眠れなくなるし……、あと3時間、3時間耐えてから眠ろう。そうすれば今夜は即爆睡、そして明日の朝には清々しい目覚めが」
……そして3時間後。
私はPS4のコントローラーを手に、爛々と目を輝かせてゲームに熱中しているのでした。
「あんなに眠たかったのに、いつも夜10時くらいになると急に復活するのは何故だ?さっきまでのあの睡魔がまるで嘘のように、今私の体にはエネルギーが満ち満ちている」
こうなるともう諦めるしかありません。おそらくいつものように、午前3時頃に仕方なく床に就き、それから起床時間まで悶々とした地獄の時間を過ごすことになるのです。
皆さんはこのような経験がありませんか?
夕方、眠くてだるくて仕方がないのに、それを我慢していると夜急に元気になるという現象。
私はよく経験していたのですが、その理屈が全く分かりませんでした。
(まあ、さほど深く考えたことも無かったというのもありますが)
実はその答えらしきものが「SLEEP」に書かれてあったので、要約して紹介しようと思います。
一般的に我々は夜眠り、そして日中は働いていますが、身体の内部では毎夜睡眠中に大規模な突貫工事が行われています。例えば記憶の整理、炎症の修復、体の強化や日中取り入れた物質の合成等など。さらに脳に至っては睡眠中は脳細胞が約60%縮小する為、その効率はさらに高まるということです。
つまり我々の身体は、まるで高速道路の修復工事のように、毎夜ひっそりと誰にも気づかれることなく修復、強化、再生などの大仕事をこなしている訳です。
メラトニンという、脳内の松果腺を中心に生成されるホルモン物質があります。
これは、寝る準備が整ったことを細胞に知らせる役目を担っているらしく、外が暗くなるにつれて自然分泌されるそうです。
そして、午後10頃になるとメラトニンの生成量もピークを迎え、すると体は睡眠中の大工事に備え、代謝エネルギーを増加させるそうです。
これが「夜10時に急に元気になる」現象の謎です。
そうです。
私は、本来睡眠中に使用されるべきエネルギーをPS4のゲームに費やし、自分の修復をおざなりにしてまで一生懸命某ソニーに貢いでいた訳です。
ゲームでエネルギーを使い切ってから寝ても、もはや身体を修復するエネルギーはほとんど残っていません。おそらく効率はガタ落ち。いつまでたっても開通しない高速道路、いやむしろ修復工事が進行中にもかかわらず、なぜか老朽化だけ進行する実に不可思議な道路のようなものです。
よく、夜10時から夜中の2時までは睡眠のゴールデンタイムだといわれます。
恐らく最も工事がはかどる時間帯なのでしょう。
なんとなく納得がいきました。
そういえば、世界に名だたるプロスポーツ選手などは、睡眠には非常に気を遣っており、毎日約8時間はきっちり眠るそうです。
なぜなら、夜に体をきっちり修復できなければ、次の日に質の高い練習が出来ないからです。(毎晩呑み歩くどっかのプロ野球選手とは大違いですね)
どこでもきっちり眠れるという素質と自制力も、スポーツに関わる重要なファクターなのです。
そうそう、メラトニンについてもう一つ。
メラトニンの生成、分泌は、日中に光を浴びた量に大きく左右されるそうです。
特に紫外線B波は重要です。
以前にも紹介しましたが、人間はビタミンDを紫外線B波を浴びることでしか生成できませんし。
私は日中ずっと室内だけど、カーテンを開けて日の光を十分に取り入れているから大丈夫!
、と思ったそこのあなた。
カカオ抜きのチョコレートくらい「あまい!」。
紫外線B波はガラスによってほとんど遮断されてしまいます。
ちなみにA波は波長が長いため、ガラスも難なく通過して十分に日焼けもしますが。
どうやら、人間は外に出ないと生きられないようになっているようです。
考えてみれば、遠く太陽から発せられ、そのほとんどを大気のオゾン層や地球の電磁バリアで吸収され消滅してしまう紫外線B波。
そして、ガラスにさえ遮断されてしまう紫外線B波。
このほとんど奇跡とも呼べる「地表に届いた紫外線B波」の恩恵を(タダにも関わらず)享受しないのは実に勿体ない事です。
一日30分は外を歩きましょう。
まとめると、
・夜10時の元気に気をつけろ!
・窓の内からは太陽の恩恵はうけられない!
・ソニー、PS5はなぜ買えないのだ!
以上。
それではっ!
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