今日も”むし”暑い京都です。太陽が今にも落ちてきそうです。
そんな日でも私はまっすぐ太陽に立ち向かい、しっかりとその恩恵に与かってきました。
ビタミンDが合成されていくのを感じます(嘘ですが)。
「しかしこう汗をかいていると、できたビタミンDも一緒に流れていってるんじゃないだろうか?」
そんな事を考えながら歩く帰路、私は深い森に覆われた神社に立ち寄りました。
「ついでに最近覚えたアーシングもやっていくか。このぐらいの御利益なら賽銭無しでも恵んでくれるだろう」
参道には蝉の亡骸がいくつか落ちていました。
私はその仰向けに硬直した蝉を見ながら、
「本来ならこんな風に全裸で仰向けになってアーシングをしたいところだが、おそらくバチが当たる上に、もし人に見られようものなら社会的に抹殺されかねない。全身でアーシングしてましたと言って一体誰が信じてくれるだろうか?」
と思いながら通り過ぎました。
長い参道をしばらく歩き、やがて誰も居ない本殿に到着しました。
私はなぜあるのか分からない切り株に腰掛け、一息つきました。
巨大な樹に覆われて、辺りは薄暗くなっていました。
「じゃこの辺で」
すると上方から、大地に手を着いて”自己流”アーシング中の私に、蝉の鳴き声が一斉に降りかかりました。
ミミミミミーン、シャシャシャシャシャシャーン。
ハッとして上を見上げた私は、
「なるほど、多分これを”蝉しぐれ”というんだろうな」
と何故か妙に納得してしまいました。
街の中で耳に直接入ってくるようなセミの鳴き声と違って、ここでははるか上空からセミの声がまさに時雨(しぐれ)のように自分に降りかかってくるのです。
それはまさにシネコンもまっさおの「空からの立体音響」でした。
「なんか蝉の本気を見た、というか聴いたような気がする」
アーシングの効果のほどは定かではありませんが、少なくとも本物の”蝉しぐれ”によって癒されたことは確かです。
「言葉だけじゃ分からないことってるよな」
私はそそくさと本殿に一礼し、その場を後にしました。
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