皆さんこんばんは。
季節が急激に移っているようで、どことなくメランコリックなヤドカリです。
さて、最近「睡眠」についての著書を読み漁っている私なのですが、ほぼタイトルのみで次のターゲットに選んだのはこちら!
ぺネルぺ・ルイス著「眠っている時、脳では凄い事が起きている」です。
(原題「The Secret World of Sleep」)
ちなみに副題は「眠りと夢と記憶の秘密」となっております。
(原題は「The Surprising of the Mind at Rest」)
こうして原題と見比べてみると若干盛っている感が否めませんが、まあ兎に角それくらいタイトルというものは重要だということです。
読み始めてまず感じたのが、これまでの著書に比べ若干学術書、或いは専門書の雰囲気が強くなっている事でした。
つまり、専門用語が多用されております。
さらに「こうすればいいよ」という大衆向けスタンスではなく、「こうなるメカニズムの説明」という学識的スタンスが強くなっております。
なので考えようによっては、この本の理解によって眠るのではなく、この本を読むこと自体で眠くなるとも言えます。
という訳で、眠気を抑えながら眠るための本を読んだ成果をご紹介しましょう。
■睡眠不足は人格をも変える
高所での綱渡りやビルの屋上で逆立ちをする人、或いはベースジャンパーやエクストリームスキーヤーなどは、見ているこっちがハラハラするくらい危険な事をむしろ喜んでやっているようにも見えます。
我々は彼らを見て「とてつもない勇気を持つ一握りの人間」だと思いがちですが、著書によればそうとも限らないようです。
両耳の内側にある脳の部分に、脅威や不愉快な刺激に強く反応する「偏桃体」という組織があります。
例えばこの偏桃体から海馬(長期記憶の保存)への神経接続が断たれると、情動記憶が威力を失ってしまい、本来トピックであるはずの出来事はありふれた日常と同じ扱いになるようです。(ファーストキス ≒ 晩御飯を食べた という感じ)
研究結果によれば、一見「とてつもない勇気を持つ一握りの人間」の偏桃体のニューロンは、危険な状況に陥った時も発火速度があまり高くならなかったそうです。
(つまりさほど危険とは感じていない)
さらに、報酬系が関係する別の領域が強く関与することがあるらしいのです。
(つまり快感を感じる)
このことから、世間で「とてつもない勇気を持つ一握りの人間」と見られている彼らは、さほど危険ではない事を快感を伴いながらやっているだけ、という見方も出来るわけです。
こう考えると、勇気って一体なんなんだろう?と思ってしまいますね。
さて、なぜこんなことを説明したのかというと、
実は睡眠不足(睡眠の乱れ)によって、一般人でもこの傾向が現れるということを言いたかったからです。
睡眠不足になると、まず臭いの種類をかぎ分ける能力が落ちます。
特に酸っぱい味に気付きにくくなります。
(酸っぱさというのは腐っているかどうかを判断する重要なファクターです)
そして聴覚も少し損なわれ(どちらが先に聞こえたのか分からない)、視覚にも問題が生じます(右側の視野により強く注意を払う)。
つまり、人間が長い時間をかけて生き残るために獲得した能力が徐々に失われていくのです。
もちろんこれだけでは済みません。
さらに、人は危険を冒す傾向が強くなります。
脳内で報酬系が強くなるかわりに懲罰系が弱くなり、道徳的判断も鈍っていくそうです。
これらは上述した「とてつもない勇気を持つ一握りの人間」の脳の活動パターンとそっくりです。
確かに寝不足の日は何をしても雑になったり、注意力が散漫になったり、色々思い当たることがあります。
なので私はこれらのことを鑑み、こう思いました。
1.睡眠不足の時に重要な事を決断してはいけない。
2.逆に勇気が湧かなくて中々踏み出せない場合など、むしろ使えるのではないか!?
と。
まあ2.はともかくとして、安全で普通に暮らせる現代と違って、もし石器時代だったら命がいくつあっても足りないことは確かなようです。
まさに「偏桃体」は人間にとって命綱、ということですね。
以上、難しい内容を出来るだけ分かり易く説明してみました。
それでは!
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